繁延あづさ

写真 繁延あづさ

たねの野菜の物語

雲仙たねの野菜市

この野菜市は、
雲仙の多様な在来種・固定種の野菜と
その野菜、一つ一つの物語を
味わっていただく野菜市です。

雲仙では、35年の長きにわたり、
岩崎政利さんが奥様とたった二人で
80種にも及ぶ在来種・固定種の野菜を育ててきました。

岩崎さんは、1つの野菜に対して
少なくも50本、多い時は500本という母本を
選定して種を守り継いでいます。

それだけの母本から、
一農家が35年の長きにわたって
80種にも及ぶ野菜の種を守り続けてきたことは、
おそらく、歴史上、唯一無二のことではないでしょうか。

岩崎さんの35年は、たねに寄り添い、
種とともに生きていたと言っても過言ではありません。

私たち「雲仙たねをあやす会」は、
そんな岩崎さんが守ってきた種とその哲学、
野菜の花が咲き誇る美しい畑の景色を
次代につなぐために、地元の
若手農家4人を中心に結成しました。

同じ野菜でも、畑が変わり、
生産者が変われば、味も形も違います。
また同じ畑の同じ野菜でさえ、
多様な姿と味を私たちに見せてくれます。

例えば、岩崎さんが守っている平家大根。
鎌倉時代から続いていると言われているこの大根は、
椎葉村のクニ子おばばが、50年にわたって
守り継いできた種を、岩崎さんに託したものです。

一つ一つの野菜には
その種を継いできた農民の
歴史と思いが詰まっています。

そして、一つ一つの野菜の後ろには
野菜の花が咲き誇る、美しい畑の風景が、
広がっています。

この「雲仙たねの野菜市」では
野菜と共に、種を継いできた人の思いと
景色も、それぞれの台所にお届けしたいと思います。

会場では素晴らしい料理人たちが、
この野菜たちをその物語とともに料理してくれます。
岩崎さんを始め、若手の農家たちも売り場に立ちます。

ぜひ、足をお運びください。
皆様のお越しを、心からお待ちしております。

雲仙たねをあやす会 世話人
オーガニックベース 奥津爾