presented by ORGANIC BASE

壺中の天│大橋弘写真展

金山寺味噌[和歌山県有田郡]
あなたの町で、「壺中の天」の展覧会をしませんか?

About

かつて壺や甕には、いのちを再生する力があると信じられていました。『壺中の天』とは、「壺の中に、仙人のすむ別天地がある」という中国故事に由来することばです。古代の人は時季にどっさり収穫したものを、甕や壺、桶や樽に入れて保存しました。ある時それが腐らないばかりか、塩やカビの力で、全く別の食べ物に生まれ変わることに気づきます。米は、芳醇な酒やまろやかな酢に。大豆や小麦は味噌・醬油。アワビやイカの腸やウニは塩辛。鮒や鮎はなれずしに。猛毒のふぐの卵巣さえ安全な食べ物に変えてしまいます。まさしく壺や桶は、いのちを宿す神秘の器だったのです。壺中に醸される食べ物は、千年余の歳月を越えて、今に生きています。文・陸田幸枝

温海かぶら漬[山形県西田川郡温海町]

Exhibition

あなたの町で、「壺中の天」の展覧会をしませんか?

写真展で準備した展示用写真、無料でお貸しします。カフェ、雑貨屋、ギャラリー、イベント会場などなど「壺中の天」の展覧会をしたいという方こちらまでご連絡ください。全国どこでもけっこうです。あなたの街で「壺中の天」を、ぜひ。

現在貸出休止中です。 mailbox@organic-base.com

Schedule

002

越文楽市神奈川県中郡二宮町

2014.8.22 - 2014.8.23

Profile

大橋 弘Hiroshi Ohashi

かつてインテリアデザイナーを目指して工業高校の木材工芸科に在籍していた頃、友達と奥多摩に写真を撮りに行った。そのとき私が撮った写真を、友達が知らぬまにコンテストに応募し、たまたま入選してしまった。それが根拠のない自信になったか、写真の面白さに味をしめ、東京綜合写真専門学校に進んだ。卒業後は無謀にも初めからフリーランス(フリーター)。アルバイトして金を貯めては、カメラをもって旅に出る。金が尽きると、東京に舞い戻ってアルバイト、そして旅。その繰り返し。楽しい良い時代だった。
  26歳のとき、遠藤周作の『沈黙』の舞台、島原半島口之津に行こうと思い立ち、友達3人とスーパーカブで長崎へ出発。長崎の大浦日ノ出町に家を借り、1か月間長崎中を走り回って、いよいよお金が尽きた。カメラを質に入れ、東京にもどるお金もなく、見つけたアルバイト先が炭坑の島、閉山を1年半後にひかえた軍艦島だった。6ヶ月間構外作業員として働いた。都会育ちには、背骨がきしむほどの重労働だったが、体力だけは自信があった。あやうく主任になるところで島を去った。今思うと、面白すぎる体験をいっぱいした。
  その後もしばらくはアルバイトしつつ、雑誌の写真の仕事をした。
  雑誌の連載で日本の伝統食を月2回8年間190ヶ所ほど巡ったり、伝統工芸の職人さんを訪ねたり。20年ほど前から歩き始めた、日本の「鍛冶屋巡り」は120カ所を越えて連載中。鍛冶屋を訪ねる時は、いまも心が躍る。職人さんのリアリティには、うむをいわせないものがある。ライフワークでは苔の写真を撮り続けて、いつのまにか30年。いまは八ヶ岳に通っている。写真を撮ることが、年々楽しくなる、今日この頃です。

写真集
「MOSS COSMOS 苔の宇宙」「1972青春軍艦島」「FRACTAL」

写真展
「和紙の町小川町」「MOSS COSMOS 」「PLANTA」
「里芋畑」「1972青春軍艦島」「森の時間」「FRACTAL」

著書
「日本の手仕事」「極上食材図艦」「長寿の国日本の伝統食」
「日本の正しい調味料」「野山で生まれた暮らしの道具」「日本鍛冶紀行」