写真 繁延あづさ

雲仙で、オーガニック直売所
tanetoをはじめます

オーガニックベースの奥津爾(おくつちかし)です。

2019年11月より、僕らが暮らす雲仙市で、オーガニック直売所を始めます。

直売所名
オーガニックベースストア
taneto

住所
長崎県雲仙市千々石町(ちぢわまち)丙2138-1

オープン日
令和元年11月19日(火)

営業時間
10:00〜18:00 水曜日定休

店名の由来
taneto
たねと
種と

直売所からたくさんの種が
育っていく、そんな場所を目指して
いきたいと思っています。

ここに至る経緯と目指すことを書きます。
最後まで読んでいただけたら本当にうれしいです。

1 tanetoについて
2 目指すこと
3 tanetoで販売するもの
4 応援よろしくお願いします

写真 陶山岳志

1 tanetoについて

僕らが直売所を始めるのは、雲仙市千々石町。
人口約5000人、雲仙山系の山々に三方を囲まれ、
橘湾に面する棚田が美しい町です。

直売所は、国道57号に面しており、雲仙市が所有する場所です。
そこの運営責任者になります。
方針から品揃え、日々の営業まで、一切を任せていただきます。

3年前から、この直売所は、地元の和菓子屋さんである沖田製菓舗さんが、指定管理者として市から運営を委託されていました。売上が低迷していたこの場所の経営改善を担うため、沖田さんが引き受けたのです。

沖田さんは、敷地内に、&coffee という店舗も運営なさっています。
この度、僕らは、その直売所部門を、沖田さんから任せていただくことになりました。バトンを引き継ぎ、活気を失っていた直売所の立て直しに挑戦します。

 

写真 繁延あづさ

2 目指すこと

僕らは、ここで
「オーガニック専門の直売所」を、始めます。

「オーガニック」「有機農業」という言葉はすでに一般化しています。今や、誰もが知っている言葉になりました。

しかし、実際の日本の有機農業の取組面積は、耕地面積全体の約0.5%。

わずか1%に満たない。

つまり日本において有機農産物は非常に特殊で、「オーガニック」という言葉だけが一人歩きしている状況です。

また、皮肉なことですが、「オーガニック」や「自然食」は自然がない都市部ほど人気がある傾向があり、そしてそれはまた、ある意味、自然から乖離するファッショナブルさを求められます。(それが悪いと言いたいのではありません)

そんな現代に、有機農法や自然栽培に取り組んでいる農家は非常に厳しい状況に追い込まれています。

特に厳しいのは多品種・小規模の、自然のサイクルを重視する農家です。

例えば、送料の飛躍的な高騰による、
産直スタイルの行き詰まり。
大手宅配会社の効率化の波による、ロット規模の拡大。
時代の変化による一般家庭における料理比率の激減
加えて、昨今の異常気象・災害の連続。

さまざまな原因が重層をなし、多品種小規模の有機農家は、生業として続けていく困難に直面しています。かつてない厳しさと言っても過言でないと、僕は思います。

事実、腕も人気もあった農家が、この数年、数多く廃業してしまいました。

その打開を願い、微力ながら一助になりたく、
tanetoを、オーガニックの直売所として、
東京ではなく、雲仙で始めることにいたしました。
以下の役割を担いたいのです。

写真 大沼ショージ
◎繋げる場

買う場所もなく、売り先もない。

これは有機農産物を巡る、都会のごく一部を除いた、
日本全国に共通する問題だと思います。
そして雲仙ももちろん例外ではありません。

雲仙には岩崎政利さんをはじめとする多くの有機農業者がいます。しかし、その有機農産物のほとんどは市場流通や個別配送を通して大都市へ送られ、市内で購入できません。

消費者にとって「買う場所がない」。

それは生産者にとって「売り先がない」ということです。
両者の悩みは=(イコール)です。
有機JASにこだわらず、できる限り無農薬・無化学肥料の
農産物を主軸とした直売所を設立し、
そのギャップを埋めて、双方を繋げたいのです。

写真 繁延あづさ
◎廃棄する野菜をなくす

例えば、僕らが6年前に移住したきっかけである種とり農家の岩崎政利さん。

35年を超える実績と腕を持ち、全国に支持者が多い岩崎さんですら、去年は作った野菜の2/3は販売先を失い、畑に鋤きこまれています。あれほど、見事で、動物のような存在感を放つ無農薬の野菜たちが、です。

「野菜を破棄せず、生かしきる売り場をつくりたい」
この6年間で、僕は痛切に思うようになりました。

そのために、直売所というプラットフォームは、非常に重要だと思うようになりました。なぜなら、畑に近い流通が基点にならないと、この問題を解決するのは本当に難しいのです。

売れ残った野菜や出荷しにくい野菜は、料理や加工品として生かしたい。また街の八百屋の仲間と連動して、都市部へ向けての流通拠点としても機能させたい。そして、自然災害により農家が甚大な被害を受けた時、迅速な打開策を見出したい。

畑の近くの流通だからこその役割を担って行きたいのです。

写真 繁延あづさ
◎在来種野菜を守り継ぐ拠点として

そして、種のことを。

農家の岩崎政利さんは35年以上、80にも及ぶ在来種の種を自家採種してきました。一農家が35年の長きにわたってこれだけ多くの野菜の種を守り継いできたことは、おそらく、古今東西の歴史上、唯一無二のことだと思います。

この直売所を、岩崎さんが守り継いできた在来種の野菜の種を次代につなぐ、小さくも確かな拠点にしたいのです。

それはすなわち、種を受け継ぐ若手を支援できないか、という試行錯誤の僕らなりの答えなのです。

有機農業、種とり農業の、大きな問題の一つは、圧倒的な後継者不足です。
種を守るには、守る技術を持った「人」、つまりプロの育成が必要です。それはシードバンクとは異なる意味です。

岩崎さんが長きにわたり守り継いできた種と技術を、若い志ある農家が引き継げるように。
あるいは、これまで「本当は自然栽培をやりたいがやれなかった」プロの慣行農家が自家採種にトライできるような状況が作れたら。

僕らは農家にはなれませんが、別の立場の挑戦で、子供たちに、20年後の世界に、種と美しい風土や水を残せる一助になりたいです。

写真 大沼ショージ

3 tanetoで販売するもの

直売所は、その土地の風土に根ざした、
もっとも土に近い流通です。

地域の皆さんにとっては、
いわば井戸端のような、公共性の高い場所でもあります。

「オーガニック」を掲げて、理念ありきで
真面目になりすぎて、行きにくい場所、
閉ざされた場所になったら本末転倒です。

とにかく「楽しい場」でなければ!

そう思っています。
ついつい、通いたくなる場、
ついつい、長居したくなる場、になったら最高です。

そこで、tanetoではオーガニック農産物の直売に加えて
楽しんでもらえるための挑戦を少しずつですが、
どんどんやっていきます。

◎千々石書店

古本屋コーナーも併設します。

僕ら夫婦が本当に本が好きで、
いつか本屋をやってみたい、という思いを持っていました。

背景に物語のある在来種の野菜は、
大事に読まれた古本と好相性です。

ついつい寄りたくなる、
個性ある古本コーナーに育てたいと思ってます!

◎地域の自然食品店として

僕らが16年間、料理教室を通じて
必要不可欠と感じている調味料や
加工品も販売します。

これは正直、かなり試行錯誤が続くと思いますが

美味しい野菜と一緒に、
台所や生活に
体と土に優しいものを「買える場」にしたいです。

◎テイクアウト食堂 コロッケとスープ

やっぱり野菜を食べて欲しい!
体験して、感動して欲しい!

そこで、テイクアウトの総菜屋も併設します。
色々考えて、メニューは

コロッケとスープに

絞り込みました。
もちろん、レシピ製作は奥津典子です。
(彼女も現場で調理します)

具材のチョイスと組み合わせは
四季を通して変化させ、
素材そのものと「今日」!の
美味しさを味わって欲しいなーと思います。

◎料理教室や畑の体験

そして、何と言っても僕らの本業は
「美味しくて元気になる料理教室」です。

直売所でも、どんどんやっていきたいと思います!

素材を生かし、美味しく元気になる「台所の学校」
の他にも、物づくりに関わるワークショップ、
子供たちと一緒に畑仕事を体感できる企画
地域のおじいちゃんおばあちゃんの知恵を継承する企画 などなど。

◎たねの学校も

また改めてお知らせしますが、
種採りの技術や哲学を学ぶ「種の学校」も
この直売所のスタートに合わせて始める予定です。

岩崎さんの種と技術は、大げさかもしれませんが、雲仙市と現代の宝物だと僕は思っています。一人でも多くの人に、学ぶチャンスは開かれているべきです。

 

写真 繁延あづさ野菜の花たち

4 応援よろしくお願いします

◎tanetoを応援してください!

ご縁があり、市の直売所の運営を僕らが担当するわけですが、初期投資の一切、内装工事や運営費などは自己負担でスタートします。

補助金は一切いただきません。
もちろん日々の営業経費も損益も、僕らの自己責任となります。

市の建物ということで、想像以上に制約が大きく、ここでやるより近くの古民家を借りて始めた方が、はるかにやりやすく、リスクが少ないでしょう。

けれど、それでも僕らは、「市の直売所だからこそ、オーガニックを前提に始める意義は大きい」と思い、あえてここで挑戦したいと思っています。

より開かれた場所へ、より新しい困難と達成へ。

そして、そんな僕らの挑戦に共感してくださる方、
一緒に、この価値観を前に進めたいな、と思ってくださる方は
どうか、応援してください。

◎お願い ①〈説明会にぜひ!〉

まず、多くの方に知っていただきたいです。
雲仙市にオーガニック専門の直売所ができるらしいと、ご家族お友達にご紹介いただけたら嬉しいです。

とにかく「行ってみようかな」と思っていただくことから始まります。

そして、特に地元の皆さまへ。

今後の方針についての説明会を下記に日程で開催します。

どなたでもご参加できます。お子さん連れOKです。
ご興味のある方はどなたでもご参加いただけますので、
是非是非、お気軽に足をお運びください!
ふらっと行ってみようかな〜、くらいで大歓迎です。

説明会開催
・10月17日(木)20:00〜
・10月20日(日)13:00〜
開催場所 taneto (旧直撃直売所 長崎県雲仙市千々石町丙2138-1)

◎お願い ②〈スタッフ募集〉

スタッフ募集します!

僕ら夫婦と共に
一緒に売り場を作ってくれる販売スタッフと、コロッケとスープを一緒に作ってくれる調理スタッフをそれぞれ募集します。

この記事を読んで「面白そう!」と思って、挑戦したくなった方ぜひご連絡ください!諸々、応相談です。

担当│奥津爾
chikashi@organic-base.com
(お名前・ご住所・年齢・職歴・生年月日・志望動機・愛読書3つとその理由を明記の上、メールお送りください)

写真 繁延あづさ
◎お願い ③〈台所の学校と種の学校を、ぜひ〉

また、遠くから「応援したい!」と思ってくださる方。
本当に、本当に、ありがとうございます。
色々考えましたが、寄付を募ることはしません。

その代わりと言ってはなんですが、
「台所の学校」または、これから始まる「種の学校」をぜひ受講してください。

オーガニックの野菜や在来種の野菜は、
料理する人がいて、初めて輝くものです。

僕らがもともと生業としている料理の学校と直売所の活動は、二つで一つです。皆様が託してくださる売上は、直売所の運営費や種を守り継ぐ活動にあてていきたいと思います。

「種の学校」については、詳細後日に。
今はやっと先月完成した「台所の学校」のご案内から。


台所の学校 オンライン講座

https://organicbase.net/kitchen_kihon

奥津典子の「切り方」はもちろん、
季節と自分にあった
調理法と食材選びの基本をマスターする入門コースです。

レシピを覚えるというより、
ある素材をどういかすかの学校です。
もちろん、健康と元気を育めます。

僕らの活動の核となる講座を通じて
楽しく、実用的に応援していただけたら、本当に嬉しいです!

 

写真 繁延あづさ

最後に。

直売所は、土と台所をつなぐ、みんなの場所です。

tanetoは、孫や子が安心して遊べる
田畑で作られた野菜を届ける場でありたいです。

そして、このプロジェクトを通して、
子どもたちに、土を近くに感じて欲しいと思っています。

畑で思いきり遊んでいる景色が、
彼らの故郷の記憶になって欲しい。

この記事を書いていて、
実はそれが一番の願いのように思いました。

こうして市の直売所を任せていただく
機会があることに心から感謝し、全力尽くしたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

オーガニックベース 奥津爾